《雑草庭園の由来》

『帆斗里』の目の前にある犀川緑地公園の40年前には若木だった樹木もかなりの大樹に育ち、森の様に。その樹々の茂りを背景にした15坪の四季折々の野の草花の『雑草庭園』。
母がこの庭の最初の主。癌の遺伝子研究をしつつ、金沢の童話作家として作品を書いた母。

「我が家の庭は野草が茂るに任せてある雑木雑草の庭です。私はここにささやかながら〞生態系〞を維持していこうと思っています。実生の植物はそのままはえてくるのを楽しみにしていますし、虫や小動物も育つままにしています。」(サンショウウオの池:1986年刊 あとがきより)

母の想いでできるかぎり自然に近い姿の雑草の庭。欲しいと思った植物が勝手に根付くと母が『魔法の庭』と呼んできた庭。手入れされ尽くした庭にはない『雑』の醍醐味と繊細さを満喫できる庭。

手仕事をしながら、ふと視線をあげると樹々や草花たちが、その季節特有の表情に。
一瞬の至福。

あるがまま 雑草として 芽をふく
放浪詩人とか雑草詩人と呼ばれた種田山頭火の一句。
我が家の「雑」の根本を語ってくれているようで、嬉しくなり。
手を入れつつ、それでいて自然で、自由に、まさに雑草のごとく……今ヨリナキニ。
                         ホトリアン 安井未星

帆斗里の春   帆斗里の夏   帆斗里の秋